日  時 2006.12.23(土・祝) 13:30〜17:00
会  場 堺市中区小阪
高齢者対応型賃貸マンション・ふくふく荘
協  力 ふくふく荘、(株)松村組
参加人数 28名
講  師 衣笠 依子 衣笠建築設計事務所主宰
テ ー マ 「平成の長屋に見る、高齢者の暮らし…」



「ふくふく荘」
衣笠依子さん(衣笠建築設計事務所 主宰)
Won Jiksoo(ウォン・ジクスー)さん
施主ご夫妻
施設見学
  今回は衣笠依子建築士の設計・監理で竣工した高齢者対応型賃貸マンション「ふくふく荘」を見学し、今後の高齢者対応住宅について勉強しました。施主のご家族は北欧を訪問され、老いても自分でできることは自分でしながら安心して暮らせる住まいとは…との答えを見つけられ、構想から5年をかけて計画を実現されました。

  「ふくふく荘」とは「福が吹く仲良し長屋」の意味だそうですが、高齢者向けのコンセプトが明確で高齢者に優しい3階建・30戸のマンションです。落ち着いたケアプランセンター室・レストラン・お洒落な談話室もあり、室内と廊下・パブリックスペースとの段差も無く安全に配慮された住環境でした。各階の階段ドアは1階が赤色、2階が緑色、3階は黄色と共同住宅で戸惑いやすいフロアの誤認を防ぐ楽しい配慮がされながら、共用スペースはホワイトとブラウンを基調とした上品な優しさに包まれていました。レストランテラスを出た所には大きなスペースの家庭菜園もあり、ご近所とのコミュニケーションが保てて笑顔で楽しく過ごせそうな温もりのある雰囲気でした。

  衣笠さんから、介護が必要になった時の考え方と介護保険の仕組みや高齢者の健康状態の推移に基づく住居の考え方について説明を受けました。住み慣れた場所とかけ離れないインテリアでなじみやすさとコミュニケーションが深まる談話室や家庭菜園についても語っていただきました。

  高齢者が自分らしく暮らすこと…。つまり一人暮らしでも安心して暮らせることは、自立努力が可能な住まいと安心できる介護が整っていることが、近い将来の更なる老いを考えた時に大切になるのだと教えられました。
  施主ご夫婦は施設ではなく自宅で過ごせることの幸せを北欧で強く感じられ、それを理解してくれた建築家との出会いがこの住まいの実現に繋がったことを「とても嬉しく思っています。好きなことや楽しみを持って自分らしく暮らしていただきたいですし、介護が必要になっても安心して住み続けてもらえるようにこれからも頑張って喜ばれるようにしていきたい。」と笑顔で力強く決意を語られ、私もつい胸が熱くなった次第です。

  セミナーの特別プログラムでヴォイスパフォーマーのWon Jiksoo(ウォン・ジクスー)さんに、素朴な楽器を使った魂の演奏と渋い素敵な声の朗読を聴きながら、とても心地よい時間を過ごすことができました。ホーミーのBGMに参加いただいた皆さまもありがとうございました。
文/高藤正道



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