日  時 2007.3.24(土) 13:30〜20:00
参加人数 41名
第 一 部 勉強会 法相宗 大本山 薬師寺
テーマ 「人生、熟すれば・・・。」
法 話 小林 澤應氏
第 二 部 情報交換会‘無国籍料理 パーム’



滋恩殿
「薬師寺録事 小林澤應氏
玄奘三蔵院伽藍へ
写経道場
  本年最初の「リ・ライフ」セミナーが奈良県西ノ京薬師寺で開催されました。法話を拝聴し、白鳳伽藍・玄奘三蔵院伽藍を見学。最後に写経を体験すると言う内容でしたが、雨の心配も大降りにはならず、早春の一日を心静かに過ごせ、良い勉強にもなりました。
  薬師寺の法話と言えば、今は亡き管主高田好胤氏の楽しいお話で有名ですが、その薬師寺独特の法話は今もしっかりと受け継がれていました。法話は慈恩殿において薬師寺録事の小林澤應氏により「人生の考え方」について語っていただきました。
  お話が始まりました…。僧が身に付けている袈裟は田のあぜ道を現していて、心の種蒔き・耕しを意味するそうですが…「五条袈裟、九条袈裟と大きくなって行くことから、皆さん大きい袈裟のことを何と言うかご存知ですか?大袈裟。そう!大袈裟なんです(笑)。私は高田好胤師匠とのご縁でこの薬師寺で得度を受けました。この縁を生かして大切にして行かなければならないと思っています。皆さんは後ほど般若心経を写経されると聞いていますが、“無”や“空”と言う文字が沢山出てくるので少しだけお話しておきますね。皆さんも“エン”を大切にされていると思いますが…字が違う。皆さん、“円”が好きな方が多い(笑)。“りえき”と読む利益は自我の世界のことで、ご利益“ごりやく”と読む世界は“縁”の世界なのです。如何に色“しき”の世界において無になれるか…と言う縁の大切さを学べるかを考えたいと思います。私事ですが、真冬に水をかぶり、午前3時にお堂に入り、経を唱えて、無になろう…、空になろう…としているのですが、見えてくるのは…冷たい、寒い、ひもじい、と言う自我なのです。私のひび割れた手を見て、寺から逃げ出したい、親のところへ帰りたい、の日々でした。そんな時、13年ぶりに親が遠方から訪ねてくれて、母が目の前にある物を差し出しました。何だと思われますか?絆創膏だったんです。ただの絆創膏を差し出されたんです。でも、アカギレとひび割れの手足になっていた私に取っては欲しくて欲しくて…。涙が出るほど嬉しかった!嬉しかったですね〜。気が付かれましたか?絆創膏を見て「あ〜、絆創膏か!」は色“しき”なんです。ただの“物”なんです。私がいただいたのは、その絆創膏を見て“恩”をいただいた。これを感じられる時が空の世界なんです。師匠から常々言われていた言葉があります。“生きているうちを大切にしなさい!”…と。生きている方々に心の種蒔きから種を育てるために、こうしてお話をさせていただいています。では、本日は薬師寺にお越しいただきありがとうございました…」
  楽しい法話の後、玄奘三蔵院伽藍内の平山郁夫画伯筆の大唐西域壁画殿を見学し、写経道場に向かいました。参加者は、手馴れた方も初めての方も真剣に墨をすり、小筆を使って写経をしました。書き終えた方々からは「心が落ち着き、とても良い時間が持てました」と笑顔で話され、今日のセミナーを有意義に終えることができました。その後、数日して薬師寺から、寺が続く限り講堂に納めて保存していただけるとの葉書が参加者各人に届き、細やかな配慮にも感心したセミナーではありました。


■第二部 専門家情報交換会
引き続き西大寺のレストラン「バーム」に於いて関西を代表する工務店、メーカー、設計事務所が一同に集い、和やかに情報交換会が開催されました。最近の話題が飛び交い、真剣な勉強会のように木材・金属などの原材料値上げ問題や施主とのコミュニケーションについて時間を忘れて語り合いました。
文/高藤正道


初めての写経 in 薬師寺

  小雨降る週末の奈良大和路、久し振りに「暮らし方研究会」のセミナーに参加した。
  厄介な病気を抱えている身に取って薬師寺で写経をすると言うのは、素直に興味深い。
  まずは、小林澤應(たくおう)録事(ろくじ=役職でいえば部長補佐)の説法を聞く、面白い話もあり声が素晴しく心に響く。お経を唱えたり修行で出来上がった声なのだろう。
  そして、東塔、築300年と聞いて驚嘆し“木”という自然素材の持つ力の素晴らしさを感じる。
暮らし方研究会で増田建築士と建てた、私の木にこだわった家を誇らしく思う。
  金堂には、薬師寺三尊像、薬師如来を中央に左右に日光菩薩と月光菩薩。この菩薩像は腰の辺りをくねらせていて、とても美しい。こんな仏像って他にあるのだろうか?
不覚にも、ある女性がベリーダンスをしている姿を想像してしまった。
  道場に移って写経、口に木の実を含んで内側から体を清め、外側からは白象のお香台をまたいで体を清める。席に着きゆっくりと墨をする。柔らかな感触と墨の匂いが懐かしい。   1時間少しの時間をかけて般若心経一巻完成。下手でもそれなりに見える。1000年は保管してくれるそうだ。その年月を耐えるにはやっぱり墨や鉛筆で書かないとダメだそうだ。またもや木の凄さに気付かされる。
  とても興味深く素晴らしい時間を過ごすことができました。ありがとうございました。
高槻市在住 鈴木重三 49歳



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