日   時 2013.3.2(土) 13:30〜17:00
場   所 樟徳館・田辺聖子文学館・司馬遼太郎記念館
参 加 人 数 22名
テ ー マ 『文学散歩と洒落る…』
案 内 人 山林正彦氏 なばな不動産(株)代表



森平蔵氏の来歴を伺いました
樟徳館にて…
樟徳館から田辺聖子文学館に向かう
大阪樟蔭女子学園
司馬遼太郎館
司馬氏お気に入りの庭で…
喫茶「美術館」にて…
  今回は、文学散歩と洒落込み、大阪市南東部に広がる庶民的な街、東大阪市を訪れました。この街は近畿大学・樟蔭女子大・大阪商大・東大阪大学などが点在し、大変に知的レベルが高く多くの文芸家を輩出したことでも有名です。案内は、地元育ちのなばな不動産(株)の山林正彦さんにお願いしました。
  まずは「長瀬」駅に集合後、徒歩約5分の「樟徳館」を訪れました。同館は材木商を営む傍ら森平汽船を興し、樟蔭学園の創立者でもある森平蔵氏が、全国から銘木を集め7年の歳月を費やし昭和14年に完成させました。外観は純和風でありながら内部は大正ロマンを色濃く残し、国の登録有形文化財の指定を受け、本来は4年に1度の一般公開ですが、この度は研究会のために特別に見学が可能となりました。奥の座敷で樟蔭学園の藤原監事より森平蔵氏についてお話を伺い館内をご案内いただきました。大阪有数の木材業者であった氏の木に対するこだわりがひしひしと伝わり、大変すばらしく文化財に相応しい建物でした。
  次に、春には桜並木で有名で疎水百選にも選ばれた長瀬川沿いの遊歩道を辿ること約10分の「田辺聖子文学館」及び「記念館」を訪れました。大阪樟蔭女子大学キャンパス内の同館は卒業生でもある田辺女史の書斎を再現し、女子が愛した品々に囲まれ文学館としては異色の存在です。隣接する昭和2年建設の「記念館」は大正モダンの雰囲気を留め登録有形文化財に指定されています。田辺女史の書斎にはお好きなスヌーピーが置かれ、人となりと共に微笑ましく思えました。
  最後は、「司馬遼太郎記念館」です。司馬氏が好んで雑木林然と作庭された木々を潜ると、時空を超えた知の大人(たいじん)の世界が広がります。安藤忠雄氏設計の展示室には6万冊の蔵書の内の2万冊の書物や自著が高さ11mの書架に収められた様は圧巻でした。折しも当日は「連載・出版50年“竜馬がゆく”展」が開催されていました。
  さて、記念館近くで参加自由の「喫茶美術館」には、司馬氏の「街道をゆく」の挿絵を描かれ取材旅行にも同行された須田剋太氏の絵が飾られています。何と、ほぼ全員参加となりましたが、店主の大島?さんの熱意に司馬氏が動かされ、須田氏の心を揺り動かし大半の作品を無償で託された作品群は一見の価値ありでした。寒い一日、心の籠った一杯で皆さんはほっこり…。お母様が田辺聖子さんと樟蔭の同級生という今回の案内人・山林正彦さん、本当にありがとうございました。
文/新井律子




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