日   時 2016.7.23(土) 13:30〜17:00
場   所 株式会社LIXIL 南港ショールーム
参 加 人 数 34名
テ ー マ 『バリアバリュー、障害を価値に変える…』
岸田ひろ美氏
株式会社ミライロ勤務
日本ユニバーサルマナー協会講師
協   力 佐野設計室・佐野江利子、Jフード・重走夫妻、
南聰、肌勢喜昭、山本雅也・佑子の各氏



LIXIL南港ショールーム
株式会社ミライロ
講師の岸田ひろみさん
旧式キッチンで車椅子による
使い勝手を検証
宮部部長からLIXILの「ユニバーサル
デザイン」への取組を聞く
最後にLIXILのショールームを見学
  夏休みが始まった7月23日(土)、大阪の最高気温は32℃、第153回『リ・ライフ』セミナーは LIXILの南港ショールームで開催されました。
  今回のセミナーは、講師自らの体験談(知的障害のある長男を出産、ご主人の突然死、ご自身も病に倒れ後遺症により車椅子での生活を余儀なくされた)も交え、明るく素敵な笑顔で簡潔な言葉、数値や資料、エクササイズを使っての講演は、大変判りやすく、印象に残るものでした。
  そして、株式会社ミライロを創業された垣内俊哉氏が提唱する「バリアバリュー=障害を価値に変える…」は、氏自らの車椅子生活から生まれた本物の価値観だと感じた次第です。
  セミナー冒頭ではプロジェクターで映し出された黒バックに白の文字は元々弱視の方のために考案されたそうで、白の背景は多くの光が目に入るため、目が疲れ易い…との説明に感心すること頻りでした。
  そして「特定の人のためのバリアフリーから、全ての人のためのユニバーサルデザインへ」は…国籍・性別・年齢・障害の有無に関らず、使い易いモノやサービスを提供することで、社会貢献と経済活動を両立させる重要な要素だと知りました。
  また、「障害は人ではなく、環境にある」…その環境を変えるのは簡単ではないが、「ハートは変えられる」とも…。自分とは異なる誰かを思いやり、適切に理解し行動すること。そして、誰にでもすぐに出来ることだとの示唆をいただきました。
  私たちに求められるのは、無関心や過剰な気遣いではなく、さりげない配慮だったのです。本人の出来るか出来ないか、を問うのではなく、「お手伝いできることはありますか?」と問うのが基本なのです。勇気を出して満点でなくても恐れずユニバーサルマナーの第一歩を踏み出すことの大切さですね…。
  ハードを「ユニバーサルデザイン」で。ハートを「ユニバーサルマナー」で変えることにより、超高齢化先進国の日本が世界のお手本になれるではないでしょうか?
  講演の最後には旧式のキッチンを用意いただき、岸田さんに車椅子での使い勝手を実際に検証し、どうすれば使いやすくなるのかを提案していただきました。
  その後の2部では、LIXILのショールームでユニバーサルデザインの考えに基づくキッチンやトイレなど多くの最新の機器に触れることになり、ワイワイガヤガヤとおおいに感心し、おおいに納得してのお開きとはなりました。
文/鈴木 重三 暮らし方研究会会員



  セミナーを受ける前の自分を振り返ると、正直なところ、障害者に対して苦手意識、いわゆる心のバリアがありました。それは「どう声かけたらいいのだろう」「声をかけて、同情と捉えられ気分を害されるのではないか」など色々な事を考えてしまい、結局声を掛けられず、自分の心の中にわだかまりが残ってしまうことが原因でした。
  こうした「無関心」の逆である「過剰」対応もしたことがありました。飲食店でアルバイトをしていた頃、車いすのお客様がきたときに、椅子をどかしてその空いたスペースに案内していました。しかし、車いすの方でも椅子に移乗したい方も多く、「車いすの方が来たら椅子をどかさなければならない」という「~しなければならない」というのは「過剰」対応だと聞き、目から鱗が落ちました。
  私だけでなく、多くの人がそのような「無関心」「過剰」の対応をしてしまいがちですが、今回のセミナーで魔法の一言を教えていただきました。それは「お手伝いできることはありますか?(May I help you?)」。この一言は障害者の方がストレスなく頼れることができ、また断ることができる、というのです。率直に、なるほど、と思ったのと同時に、これからは障害者を見かけたら積極的に声を掛けようと強く思えました。また、声をかけて断られても見守ることもサポートの一つ、というのも新しい視点で勉強になりました。
  『障害は人にはなく環境にある。ハード(環境・設備)はすぐに変えられないが、ソフト(配慮・体制)はすぐに変えられる』という言葉が講演にあり、まさにその通りだと思いました。今回講演を拝聴した後には、私の心のバリアはなくなりました。次はもう行動をするだけです。
  今回のセミナーはでは多くの気づきを頂けた、大変身になる講演でした。恐らく別のセミナーやお話しを聞けば、新たな視点を得ることができますので、今後も積極的にこうした場に参加しようと思います。この度は本当にありがとうございました。
東京都在住 仁科美里氏 26歳
株式会社LIXIL 東京2020オリンピック・パラリンピック推進本部

※ミライロ様のHPに則り、「障がい者」ではなく「障害者」と記載させていただいております。


  『障害は人ではなく、環境にある』、『障害とは、障害をもつ人の事ではなく、モノや環境が生活の障害になっている人である』。この言葉にはっと気付かされました。誰もが障害者になるのだと。
  私は今まで、仕事で老人ホームや学校・保育園の設備プランニングをしていました。その時に考えていたのは漠然としたことで、介護施設なので車いすの人が使えるにトイレの便座は便蓋無しにしよう、幼稚園の先生も一緒に使えるように紙巻器をもう一つ設けよう、など施設をメインに使う特定の人の事を主に考えていました。しかし高齢化社会が進む今日、私たちメーカーが考えなくてはいけないのは特定場所での特定の人の使いやすさではなく、どこでも誰もが過ごせる環境・街づくりをしていくことだと再認識しました。
  今私の所属している部署では、4年後の東京2020オリンピック・パラリンピックに向けての商品提案や営業活動を扱っています。4年後には整備されたユニバーサルな東京を世界中の人に見てもらい、2020年以降に東京だけでなく日本中に広めていきたい。その大きな目標を達成するためにも、たくさんの人と交流しまずは私自身の視野を広げることが大切だと感じました。
  また、日本人特有の無関心さは自分を指摘されたようで私の勇気のなさも気付かされました。『お手伝いできることありますか』たったこの一言で明るくなるならば私にもできるので今後は声をかけていきたいと思います。
  このセミナーを受け、私自身の先入観を捨て普段から視野を広くもち行動にうつしたい、そう感じることのできる貴重な機会となりました。
東京都在住 星名優子氏 32歳
株式会社LIXIL 東京2020オリンピック・パラリンピック推進本部
オリンピック・パラリンピック営業部  営業推進グループ



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