今回は、富田林市寺内町を巡りました。富田林市は南河内地域に位置し、古代より石川流域に広がる平野部を中心に発展し、飛鳥や古市古墳群などの貴重な文化遺産が多く残されています。
寺内町は東高野街道の交通の要衝であり商いの街として発展し、多くの重要伝統的建物が残る町割は6筋7町であったが、18世紀後半に現在の6筋8町(南北約300m・東西約400m)に整備されたそうです。
街の周囲に土塁や堀を巡らせ、街への出入り口は4カ所のみで要塞都市の様相を呈し、加えて辻の各所ではあて曲げと呼ばれる半間ほど道をずらし敵の侵入を防ぐ工夫がなされていました。重文の旧杉山家住宅、大阪府指定の仲村家を初めとする町屋や三階蔵など歴史的な景観を今に伝えています。
1987年「富田林市寺内町地区町並み保全要綱」が施行され、1997年10月末大阪府下で初めて重要伝統的建物群保存地区に指定されました。
当然ながらこの街でも、横関さんに案内いただいた自邸、「工房飛鳥」など、市の景観保全ガイドラインを守り、街並みに外観を馴染ませながら現代的な生活ができるよう工夫と努力がなされています。
街の散策を通じて「建物の保存だけでなく、街で生活する人々、街を訪れる人々にも活力を感じていただこう!」とする街の積極的な姿勢が感じられ、秋の歴史的街並みをゆったりと心ゆたかに過ごすことができました。
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