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今回は歴史ある宇治に住まいを建てられて暮らされているWさんご夫妻宅を訪問し、お話を伺いました。世界文化遺産で有名な宇治上神社にも近く、宇治川の流れが見える傾斜地に建てられているので見晴らしがいい素敵なお宅でした。
設計を担当された伊藤建築士から建物について説明を受けることになり、施主のWさんご夫妻から住み心地と楽しく生活されている様子をお聞きしました。
木造3階建てで2階に拡がるリビング・ダイニングスペースでセミナーが始まりました。リビングから3階へはお洒落な螺旋階段で子供室へ上がることが出来る明るいスペース。
「四季を感じることの出来る家にしたい。」というコンセプトを持った建築家の意図通り、春夏秋冬を感じて、日本の季節を楽しむことが出来る住宅でした。来客の絶えない明るいリビング・ダイニングで西側に桜の木を臨み、宇治の風情を四季折々楽しんでおられます。
とても上手に住んでおられて感心しました。大きな黒色のダイニングテーブルの中央に粋な大皿に角氷をセッティングしていただき、涼を取りながらお話が進みます。
「きっかけは、先生の設計で建てられた家を見させてもらって、この建築家に会いたい、家を設計してもらいたいと思ったんです。当時、お願いしたのは床暖房とペアガラスサッシの2点でした。先生、無理言っていませんよね…。」(笑)
「螺旋階段のある南側の壁には窓を小さくすることで壁面を長く取り、気に入った大きな3枚セットの絵を飾り、窓を西側に取ることになりましたが、そこには西日の問題が…。でも、西側の宇治川の良い景色、春の桜を取り入れて、眺めて暮らしたいとなった訳です。」「宇治の花火大会が2週間前にあったんですが真上に打ち上げられる花火がとても迫力があってこたえられません。毎年一度のこの風情を楽しむために少しの暑さを我慢するなんて素敵。我慢できますもの。」(笑)
なるほど!西側のサッシから見渡すと、近くの大きな桜の木が手前に見えて遠景に宇治の風情が感じられました。この景色を取り込む生活を過ごすためには夏の暑さなんかなんのそのなんですね。「分かります。素晴らしいですね。」と参加者から声が聞こえます。
伊藤建築士より階段の190ミリの蹴上げ高さと240ミリの踏み面の良さ、長さ2400ミリある大きめのダイニングテーブルが家族の集う場所になっていることなど詳しい説明が有りました。ダイニングの壁一面にホワイトの壁面収納が設置されていて部屋との一体感がモダンな印象を与えていました。「どうぞ、扉を開けてみてください。」と言われて開けてみると洒落た食器が整然と収納されていて、一同「いつもこんなに綺麗に収納されているんですか。」と驚かされました。楽しい会話の中でセミナーが終わりに近づいた頃、麦酒を頂き、お友達のお宅に訪問したときのような時間が過ぎていきました。
上手に、粋に、楽しく住まわれていて良い勉強になりました。
ありがとうございました。
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文/高藤正道
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