日   時 2012.6.23(土) 13:30〜17:00
場   所 宇治市炭山 江夏庭苑事務所
参 加 人 数 17名
テ ー マ 『作庭の真髄に触れる…』
講   師 江夏 大三郎 氏 江夏庭苑事務所代表



ご自宅兼事務所
江夏大三郎さんの説明
セミナー風景
記念撮影
お庭散策
  今回は、京都府と滋賀県の県境、伏見桃山城・六地蔵・木幡・黄檗などの、名だたる名所旧跡の東に位置する山里、炭山を訪ねました。炭山は、その名が示す通り京都東山一帯の陶工たちが、新たな活動の場を求め移り住んだ処です。窯元や陶工が芸術家村を構成する一方、木工・玩具・金属工芸など多種多様な芸術家も居を構え、緑豊かな森林やホタルが舞う清流に囲まれた美しい自然環境でも有名な地域です。
  JR六地蔵駅で集合し、自宅兼事務所である江夏庭苑事務所に到着すると、趣味で収集された百数十種類もの色とりどりの紫陽花が出迎えてくれました。代表の江夏大三郎さんと奥さま、後継者の次男さんの三人が居住される建物は、エアパス工法(自然共生型)でつくられた素敵なお住まいでした。
  玄関から、デッキから、各自が建物内へ…。無垢材と自然素材に囲まれた、吹き抜けがあるリビングで、テレビに映し出された写真を 見ながら、江夏さんのお話が始まりました。
  江夏さんが大学卒業後、最初に師事されたのは東京の飯田造園事務所です。師として尊敬されている飯田十基氏は、国内において本格的に雑木を植木として使い始めた方でした。今までは庭木としては見捨てられていた雑木の美しさを見いだし、積極的に用いられました。当時、作庭されたお庭の写真を拝見すると、庭と建物が実に有機的かつ機能的な連携を保っています。
  その後、京都の川崎造園、川崎浩次郎氏に師事されます。そのお庭は、京都の奥深い文化を根底とした作庭が息づいています。大変華やかですが、押しつけがましさがなく、かえって控えめなお庭の印象でした。
  それらの経験を踏まえ、建物と庭園との調和、そして機能としてのお庭の役割を大切にし、里山の自然と里山への回帰をテーマに雑木(主に落葉樹)を植木として庭に据えられ、華やかですが落ち着いた、しっとりとした空間を醸し出す作庭を心がけておられます。
  お話の後、後継者である泰次郎さんのご案内でお庭を拝見。もぐらの穴が至る所にあり、樹木には鹿の食み跡が…。自然一杯の暮らしぶりが伺えました。紫陽花を愛し、全国各地から収集された花も機嫌よく育っています。お土産に紫陽花の種木をいただきました。感激でした。
  最後に、近くで作庭されたと言う木工作家のお宅を訪問し、帰路に着きました。
  素敵なご家族、素敵な建物、素敵なお庭、造詣の深い作庭のお話、大変充実した一日となりました。ありがとうございました。
  研究会ホームページで、リフォームプロネットワークのブログに江夏氏から寄せられた「地下足袋日記」が掲載されています。是非、ご覧ください。http://blog.goo.ne.jp/reform-pronet
文/新井律子



  何時もの様に暮らし方研究会代表理事の津島様のお誘いを戴き参加させていただきました。

  今回は『作庭の真髄に触れる・・・』というテーマで江夏庭苑事務所様へ訪問しての勉強会という事で非常に興味がありました。

  私は京工大建築科を卒業し大半の同窓生が設計の分野に進む中で施工の分野に進みました。
  なぜか自分で現場に出て自分の手で建物を造りたいという思いが強くありました。
  中学入学から大学卒業までずっとサッカーをやっておりまして真夏でも極寒でも汗をかき土にまみれての生活には何の抵抗もありませんでした。

  社会人に成ってからは色々な建築工事を体験しましたが、幸いにも良い建築主様と良い設計者に恵まれ作品造りの仕事に集中出来楽しく仕事をさせて戴けたと思います。
  工事中は設計図に忠実にひたすら建物を造るという事に全力を注いで検査が終われば工事完成と思っておりました。私のかかわった大部分の請負工事には造園工事は別途工事に成っておりまして、造園工事が完成する頃には私どもは次の工事現場で建築工事に携わっていたのが現実でした。

  年を経て注文住宅の仕事が主体と成りまして造園工事完成まで現場に滞在することが増えてきました。造園の力は建物に命を吹き込む魔力を感じます。造園が施工されれば建物がいっぺんにその土地に根を生やしたように生き生きと感じ嬉しくなります。

  此の度、江夏大三郎様のご経歴と多くの素晴らしい作品の御披露を拝見し感銘を受けました。又今まで知らなかったアジサイの種類の多さとモミジ等の雑木の見事な増殖栽培の現状を拝見させて頂き更に感動致しました。きれいな川の流れの脇で菜園と樹園を配しリサイクルで肥料を作成し樹木を育てておられその地中にはミミズとモグラが生息し自然と共生されて素晴らしい環境で里山を保護されており素晴らしい生活だなと思いました。

  私は中学3年の頃、父が鮎釣りを専らの趣味にしておりましたので父に連れられて鮎釣りを覚えました。近年は遠方まで里山に流れる清流を探して弟と釣りに出かけます。
  谷あいの木立から聞こえる鳥の声、川のせせらぎの水音、夕暮れどきになるとカジカの素晴らしい合唱を聞いて釣り竿を納めます。鮎はほとんど釣れませんが、心が癒されて帰路に着けます。そんな訳で江夏家の脇の清流を見たとき心が鮎釣りの思いに走りました。

  何といっても江夏大三郎様と奥さまのこの上ない人情味豊かな雰囲気と後継者として取り組んでおられる息子様の姿を拝見し、今後も素晴らしい雑木庭園の作庭技術が継承され自然と共生の出来る環境造りに力を注いで戴けるものと期待しています。

  おいしいケーキとコーヒー、お茶を御馳走に成りお土産にアジサイ(深山八重)の苗木を戴きまして誠に有難うございました。早速植木鉢に植えました。見事な花を咲かせられますように大事にそだてるつもりです。

  御近所で最近開業された朝倉木工所様にも案内していただき素晴らしい家具の作品と製作工場を拝見しました。建物も朝倉社長様の手造りという事で立派な木造2階建てが出来ていました。若い御夫婦でこれから良い作品を世に出すのだという意気込みが感じられました。ご活躍を祈りたいと思います。この地域は工芸技術に取り組む人達が集まって里山興しに力を入れておられる地域だそうで、今後の発展を期待します。

  津島様 新井様 いつも良いセミナーを企画していただき有難うございます。今後とも又宜しくお願い致します。
宝塚市在住 南 聰氏 68歳



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