|
ご自宅兼事務所 |
|
|
|
江夏大三郎さんの説明 |
|
セミナー風景 |
|
記念撮影 |
|
お庭散策 |
|
|
今回は、京都府と滋賀県の県境、伏見桃山城・六地蔵・木幡・黄檗などの、名だたる名所旧跡の東に位置する山里、炭山を訪ねました。炭山は、その名が示す通り京都東山一帯の陶工たちが、新たな活動の場を求め移り住んだ処です。窯元や陶工が芸術家村を構成する一方、木工・玩具・金属工芸など多種多様な芸術家も居を構え、緑豊かな森林やホタルが舞う清流に囲まれた美しい自然環境でも有名な地域です。
JR六地蔵駅で集合し、自宅兼事務所である江夏庭苑事務所に到着すると、趣味で収集された百数十種類もの色とりどりの紫陽花が出迎えてくれました。代表の江夏大三郎さんと奥さま、後継者の次男さんの三人が居住される建物は、エアパス工法(自然共生型)でつくられた素敵なお住まいでした。
玄関から、デッキから、各自が建物内へ…。無垢材と自然素材に囲まれた、吹き抜けがあるリビングで、テレビに映し出された写真を
見ながら、江夏さんのお話が始まりました。
江夏さんが大学卒業後、最初に師事されたのは東京の飯田造園事務所です。師として尊敬されている飯田十基氏は、国内において本格的に雑木を植木として使い始めた方でした。今までは庭木としては見捨てられていた雑木の美しさを見いだし、積極的に用いられました。当時、作庭されたお庭の写真を拝見すると、庭と建物が実に有機的かつ機能的な連携を保っています。
その後、京都の川崎造園、川崎浩次郎氏に師事されます。そのお庭は、京都の奥深い文化を根底とした作庭が息づいています。大変華やかですが、押しつけがましさがなく、かえって控えめなお庭の印象でした。
それらの経験を踏まえ、建物と庭園との調和、そして機能としてのお庭の役割を大切にし、里山の自然と里山への回帰をテーマに雑木(主に落葉樹)を植木として庭に据えられ、華やかですが落ち着いた、しっとりとした空間を醸し出す作庭を心がけておられます。
お話の後、後継者である泰次郎さんのご案内でお庭を拝見。もぐらの穴が至る所にあり、樹木には鹿の食み跡が…。自然一杯の暮らしぶりが伺えました。紫陽花を愛し、全国各地から収集された花も機嫌よく育っています。お土産に紫陽花の種木をいただきました。感激でした。
最後に、近くで作庭されたと言う木工作家のお宅を訪問し、帰路に着きました。
素敵なご家族、素敵な建物、素敵なお庭、造詣の深い作庭のお話、大変充実した一日となりました。ありがとうございました。
研究会ホームページで、リフォームプロネットワークのブログに江夏氏から寄せられた「地下足袋日記」が掲載されています。是非、ご覧ください。http://blog.goo.ne.jp/reform-pronet
|
|
文/新井律子
|
|