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尼崎秀明さんから京都大学の説明を受ける |
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百周年時計台記念館・
楠の大木前で記念撮影 |
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工学部土木工学教室本館 |
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工学部建築学教室本館 |
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旧演習林事務室
(登録有形文化財) |
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東方文化学院京都研究所 |
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旧三井家下鴨別邸 |
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下鴨神社 |
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7月28日に予定されたセミナーでしたが酷暑のため延期され、10月6日に無事開催されました。雨が降ったり止んだりのお天気でしたが、京都大学構内から大学の界隈、旧三井家下鴨別邸、下鴨神社と楽しく逍遥できました。
まず、昭和57年に京大工学部を卒業された案内人の尼崎工務店の代表 尼崎秀明さんから説明を受けました。京都大学は旧制第三高等学校で1894年に公布された高等学校令によって、それまで高等中学校と称されていた学校が高等学校と改称され、それに伴い第一(東京)、第二(仙台)、第三(京都)、第四(金沢)、第五(熊本)の高等学校が登場しました。第二が仙台で今の東北大学と初めて知りました。なぜ京都大学が第二ではないのか? 疑問に思いましたが、当時の政治的な意図があったようです。一高の東大が「自治」を標榜したのに対し、三高は「自由」を掲げました。当時受けた教養科目の授業で先生から「役に立たないことを学びなさい」と言われて建築を目指していた尼崎さんは面食らったそうです。ノーベル賞は「自由な学風」が生み出したものだと思いました。
「楠学問」とも言われ地道な学問追及のシンボルとなっている楠の大木の前で記念撮影。百周年時計台記念館に入り京都大学の歴史を学び、工学部土木工学教室本館・尼崎さんが学んだ工学部建築学教室本館へ。建築学より土木工学の教室の建物の方が立派で、古くても耐震補強が必要ないほどの強固な建物だそうです。
歴史を感じる建物を見ながら北部構内へ…。旧演習林事務室はスパニッシュ瓦葺にベランダを巡らせたバンガロー風の木造建築で、モダニズムの清新さ溢れる建物で登録有形文化財に指定されています。湯川記念館前で湯川秀樹博士の像にお会いした後、疏水沿いの道を北へと辿りました。
東方文化学院京都研究所は北白川の閑静な住宅街にあって、風雅な趣きのある白亜の建物は、京都大学の中国学研究のシンボル的存在です。設計者は、武田五一と東畑謙三。壁から突き出た日時計が目に留まりました。約90分の行程でしたが皆さんお疲れの様子なので、京大北門前の進々堂で休憩を取り、旧三井家下鴨別邸に向かいました。
京都の呉服屋から身を起こした旧三井家の下鴨別邸は国の重要文化財に指定され、玄関棟・主屋1階・主屋2階・庭園を見学しました。台風の影響で大きな木が倒れていましたが、二階からの庭園の眺めはさすがでした。
最後に世界遺産下鴨神社にお参りして解散。
学問の牙城あり、庭園あり、神社ありの散策で逍遥よりもハードでしたが、取り分け京都大学では多くの発見がありました。尼崎さんご案内役お疲れさまでした。充実した一日をありがとうございました。
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文/新井律子
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