日   時 2020.11.8(日) 13:00〜17:00頃まで
場   所 ヨドコウ迎賓館~富田砕花旧居~
芦屋市谷崎潤一郎記念館
参 加 人 数 18名
テ ー マ 『近代建築の巨匠から文豪へ、
薫る芦屋を散策します』



ヨドコウ迎賓館・玄関前にて建物説明
2 階の応接室の小窓
二階応接室
玄関前にて記念撮影
富田砕花旧居
谷崎潤一郎記念館
  今回は、芦屋市の街角に点在する建造物を散策しました。
  まずは、ヨドコウ迎賓館。敷地は南北に細長く、ゆるやかな南傾斜となっており、建物はその山肌に沿って階段状に建てられています。近代建築の巨匠フランク・ロイド・ライトにより、灘の酒造家・八代目山邑太左衛門氏の別邸として設計された建物です。建築当初の姿をほぼ完全に残すライトの住宅建築は、日本ではこのヨドコウ迎賓館のみです。鉄筋コンクリート建築としてはじめて国の重要文化財になりました。玄関前で建物の概略を説明させていただきました。
  2階の応接室に入ると天井と壁の境界にぐるりと一周回るように等間隔で小窓が配置されているのが目に入ります。これは、採光窓や通気口としての役割をもち、建物全体で100枚以上あるそうです。
  中心にある暖炉には、植物のタチアオイのデザインが施されています。このタチアオイのデザインは外部の大谷石の彫刻にも施されています。幾何学的模様の大谷石や、マホガニーの木組み装飾、扉や窓・欄間などあちこちに取り付けられた植物の葉をモチーフとした飾り銅板など、見どころ満載でした。皆さん写真撮影に大忙しでした。装飾にあふれた空間ですが、なぜか居心地が良い、自然と融和するライトの建築思想のせいかもしれません。
  出発前に、完成後に犬養毅や、ライトと山邑家を引き合わせた星島二郎等と撮った記念写真の撮影場所でもある玄関前で、記念撮影しました。
  次に、石川啄木の影響をうけ大正詩壇で民衆詩派の詩人として活躍した富田砕花の旧居を訪れました。富田砕花は昭和14年5月に移り住み終の棲家としました。その以前、昭和9年から11年には、谷崎潤一郎が三番目の妻となる松子と婚礼をあげ隠れ住んだ場所でもあります。庭には、草木や花を題材とした詩碑が立てられています。案内の方から、詳しく説明していただきました。
  最後に、芦屋市谷崎潤一郎記念館を見学して解散。記念館は数奇屋風の邸宅を模した記念館と庭園からなり、谷崎潤一郎の生涯と作品を知ることができる遺族から寄贈された原稿・書簡・書籍・日用品などを展示しています。
  お天気に恵まれ、ライトの建物のすばらしさに感激し、富田砕花の詩に触れ、改めて谷崎潤一郎の生き様を知り得た充実した一日となりました。
文/新井律子



第173回暮らし方研究会のセミナーに参加して


  暮らし方研究会のセミナーに初めて参加させていただきました。案内の紙を手にライト坂に差し掛かった折、会釈をされたご夫婦にお会いしました。私が戸惑った顔をしていると「セミナーに参加されるのですね。」と声をかけていただきました。その印象からこの会は素敵な人々の集まりなのだなと、心がほどけてきました。私にとってもヨドコウ迎賓館への訪問は3回目でしたが、若い頃は知識で建築を見学していました。気持ちの良い出会いから始まった今回の見学会は、表装のデザインディテールのみならず、設計者である建築家の思いや、長い時間軸の中で、住い手として、訪問者として、裏方として人々は何に感動したのかと思いを馳せると楽しくゆったりとした気持ちになりました。バルコニーからの望む景色も兵庫・淡路の震災から復興を遂げ、最高の秋晴れの中、六甲の山々の紅葉、街のお洒落な穏やかな景色、靄に煙る海、清らかな芦屋川の流れ、真っ白な鷺の黄色い脚に感動し、どれもこれもコロナ疲れの心を癒してくれました。坂道を下りバスに乗ったりして富田砕花の旧居(谷崎潤一郎の旧居)や芦屋市谷崎潤一郎記念館を訪れ、創作活動との人生は、山あり谷ありだがそれが人生を面白くするのだと何かわからないが勇気をもらったようです。私もwithコロナ時代の過ごし方を探したいと感じながら帰路につきました。出不精の私に、このような機会を与えてくださりありがとうございました。楽しかったです。
大阪市在住 福田由利氏 60歳代

第 173 回『リ・ライフ』セミナーに参加して


  フランク・ロイド・ライトのヨドコウ迎賓館を見学したく、今回初めて「暮らし方研究会」のセミナーに父と参加しましたが、非常に有意義な時間が過ごせたように思います。各スポットでは、建物の魅力や特徴等を丁寧に説明していただき、より興味深く見学することができました。ヨドコウ迎賓館は、建物が現代においても色褪せることなく、むしろ洗練された瀟洒なデザイン性が溶け込んでいる様に感銘を受けました。この様な素晴らしい建築物は時間を経てもなお、人々に芸術の豊かさを与えていることに感心しました。私は初めて芦屋に足を踏み入れましたが、3箇所の見学スポットを巡る道中では、参加者のみなさんと和やかな雰囲気で芦屋を散策することで、芦屋の魅力を存分に味わうことができ、貴重な経験をさせていただきました。また機会があれば、次は母も一緒に参加したいと思います。
姫路市在住 谷 佳奈氏 20歳代


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