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ヨドコウ迎賓館・玄関前にて建物説明 |
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2 階の応接室の小窓 |
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二階応接室 |
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玄関前にて記念撮影 |
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富田砕花旧居 |
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谷崎潤一郎記念館 |
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今回は、芦屋市の街角に点在する建造物を散策しました。
まずは、ヨドコウ迎賓館。敷地は南北に細長く、ゆるやかな南傾斜となっており、建物はその山肌に沿って階段状に建てられています。近代建築の巨匠フランク・ロイド・ライトにより、灘の酒造家・八代目山邑太左衛門氏の別邸として設計された建物です。建築当初の姿をほぼ完全に残すライトの住宅建築は、日本ではこのヨドコウ迎賓館のみです。鉄筋コンクリート建築としてはじめて国の重要文化財になりました。玄関前で建物の概略を説明させていただきました。
2階の応接室に入ると天井と壁の境界にぐるりと一周回るように等間隔で小窓が配置されているのが目に入ります。これは、採光窓や通気口としての役割をもち、建物全体で100枚以上あるそうです。
中心にある暖炉には、植物のタチアオイのデザインが施されています。このタチアオイのデザインは外部の大谷石の彫刻にも施されています。幾何学的模様の大谷石や、マホガニーの木組み装飾、扉や窓・欄間などあちこちに取り付けられた植物の葉をモチーフとした飾り銅板など、見どころ満載でした。皆さん写真撮影に大忙しでした。装飾にあふれた空間ですが、なぜか居心地が良い、自然と融和するライトの建築思想のせいかもしれません。
出発前に、完成後に犬養毅や、ライトと山邑家を引き合わせた星島二郎等と撮った記念写真の撮影場所でもある玄関前で、記念撮影しました。
次に、石川啄木の影響をうけ大正詩壇で民衆詩派の詩人として活躍した富田砕花の旧居を訪れました。富田砕花は昭和14年5月に移り住み終の棲家としました。その以前、昭和9年から11年には、谷崎潤一郎が三番目の妻となる松子と婚礼をあげ隠れ住んだ場所でもあります。庭には、草木や花を題材とした詩碑が立てられています。案内の方から、詳しく説明していただきました。
最後に、芦屋市谷崎潤一郎記念館を見学して解散。記念館は数奇屋風の邸宅を模した記念館と庭園からなり、谷崎潤一郎の生涯と作品を知ることができる遺族から寄贈された原稿・書簡・書籍・日用品などを展示しています。
お天気に恵まれ、ライトの建物のすばらしさに感激し、富田砕花の詩に触れ、改めて谷崎潤一郎の生き様を知り得た充実した一日となりました。
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文/新井律子
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