日   時 2021.10.2(土) 〜10.3(日)
場   所 10.2(土)
参 加 人 数 6名
テ ー マ 『アートも、世界遺産も、楽しむ小旅行です』



金沢21世紀美術館
スイミング・プール
五箇山・相倉集落
相倉集落/原始合掌小屋
五箇山・菅原集落「塩硝の館」
白川郷
長瀬家の「80年ぶりの大屋根ふき」
和田家
和田家内部
 今回は、現代アートと、世界遺産を堪能する一泊の小旅行です。
 8時半に梅田からバスに乗り、金沢に1時過ぎに到着。お昼を済ませ、まず訪れたのは、「金沢21世紀美術館」です。周囲には国立工芸館をはじめ金沢能楽美術館、石川近代文学館、石川県立歴史博物館などの芸術関連施設があり、”兼六園周辺文化の森”を形成しています。世界の同時代の美術表現に市民とともに立ち会う美術館をコンセプトに、新たな「まちの広場」を目指しています。
 金沢21世紀美術館は、先月まで「まん延防止等重点措置」のため休館でしたので、沢山の方で賑わっていました。楽しみにしていた「レアンドロ」の「スイミング・プール」は申込み多数の為、下からはあきらめて上から覗きました。プール下から手を振る親子連れも。展示しているのは、現代アートで、建物自体がモダンです。設計は、建築家ユニット(SANAA)の妹島和世、西沢立衛両氏です。
 翌日は、世界遺産に登録されている「白川郷・五箇山の合掌造り集落」を訪ねました。農村文化や暮らしを深く感じられる「日本の故郷」と言われています。「合掌造り」とは、木の梁を山形に組み合わせ建てられた日本独自の建築様式で、その形状は、積雪が多く雪質が重い自然条件に適合した構造です。
 最初は、相倉(あいのくら)合掌造り集落を見学。合掌造りの原型である原始合掌小屋・大小様々な合掌造り家屋・茅葺きのお寺等、五箇山の歴史的風景を今に残す集落です。集落内では今なお人々が生活を営んでおり、世界的にも珍しい「人が住まう世界遺産」です。
 次に、江戸末期から明治初期までに建てられた合掌家屋がそろう閑静で美しい菅沼集落。現在9戸の合掌造り家屋が残っています。加賀百万石を支えた火薬の原料となる塩硝づくり。訪れた「塩硝の館」はその過程をわかりやすく説明してくれました。
 最後は、「白川郷・荻町集落」、これまでの静かな集落とはうって変わり、車と沢山の人で人気のある観光地となっています。美味しいお蕎麦を食べ、「長瀬家」を見学。長瀬家は、明治23年築の5階建て合掌造りです。NHKスペシャルで「80年ぶりの大屋根ふき」として放送され話題になりました。
 次に重要文化財の「和田家」を見学しました。築後300年、現在も住居として活用しつつ、1階と2階を公開しています。白川村に残された合掌造りの家屋としてはもっとも規模が大きい。太い豪雪にも耐える屋根裏の骨組みに圧倒されました。
 金沢で美味しいお寿司を頂き、街の雰囲気を楽しみ、「世界遺産」で歴史を学び、大満足で帰途に着きました。
 梅田に7時半に無事到着。お天気にも恵まれ、見所満載の小旅行でした。お疲れさまでした。
文/新井律子



金沢・白川郷ツアーに参加して


 10月2日、3日に開催された第177回セミナーに参加しました。今回は一泊二日の金沢・白川郷への旅です。旅行会社が主催したツアーに暮らし方研究会の会員6名が参加しました。 9月末にて大阪に出ていた緊急事態宣言、石川県(金沢市)に出ていたまん延防止措置が解除になり、少しは旅行を楽しめる気分になったのです。その上、数日前に日本近海にやって来た台風16号が東にそれ、その影響による雨の心配もなくなり、絶好の旅行日和になりました。

 2日朝 大阪 梅田の集合場所でバスに乗り込み、高速道路を一路金沢へ。途中休憩をはさんで、約4時間半で金沢のホテルに到着。このあとは自由行動。荷物を置いて、まずは近くの店で昼食。こじんまりした店だったが、人気があるのか店の前には数人の人だかり。パンとケーキも美味しいようで、それを持ち帰るための人が待っていたのです。美味しいランチを食べ、ひとまず空腹はおさまりました。帰り際、我々が大阪からの来客と知った店の人から「来年大阪のデパートで開かれる物産展に出店するのでまた来てください」と声をかけられました。パンとケーキを出すそうです。ちなみに店の名前は「ひらみぱん」。もし、金沢に行く機会があれば、ちょっと寄り道してみては?

 食後のあとは最初の目的地「金沢21世紀美術館」へ。ホテルは市の中心部にあり、兼六園や金沢城公園に近く、この美術館へも徒歩圏内です。土曜日で天気も良く、まん延防止措置が解除されたこともあって、美術館をはじめ付近の公園も家族連れでにぎわっていた。屋外にも展示物があり、その周りを子供たちが駆け回っていた。美術館内部もそこそこの人出。目玉のスイミング・プールの地下への入場は人数制限もあって3時間程の順番待ちだった。とてもそこまで待てないので、諦めてスイミング・プールの上から眺めた。水面の下に歩いている人物が見える。時に小さな波で人物がゆがんで見える。奇妙な空間だ。地下から水面を眺めたら、どんな感じだろうか?おそらく、某水族館の空中水槽を見上げたような感じだろう と思うが…。常設展をいくつか見た。現代美術を展示しているとあって、どれも一風変わったものだった。観客を含め一室全体が展示物というようなものも。そういう芸術に疎い凡人の私にとっては理解しがたいものばかり。でも、熱心に見つめている学生らしき人もいた。彼は何かを感じているのかなあ~と思ったものだ。良いのか悪いのか さっぱりわからない というのが私の正直な感想です。むしろ、中に展示しているものより、円形をした美術館本体の建物の方に興味をそそられた。建物のまわりには芝生を敷き詰めた広場があり、ガラス張りの美術館を眺めながら、付近をぶらぶら散歩する方が私には合っていると思った次第です。
 美術館を出た後、夕食まで時間があるので、長町武家屋敷跡界隈へ足を延ばした。金沢城に仕えた武士たちの豪壮な屋敷跡です。昔ながらの土塀が残り、建物は若干改修されてはいるが、往時の面影を残している通りです。一般公開されている建物があるので、行ってみたが、残念ながら閉館時間を過ぎていて、見学できなかった。庭園も見事だそうで、見られなかっただけに、余計に残念でならない。次回 また機会があれば、訪れてみよう。
 夕食は近江町市場の近くにある寿司店へ。カウンター 8席程度の小さなお店。お客は我々6名のみ。どうやら、コロナ禍で夜の営業は控えているようで、予約が入った時のみ店を開けるのだそう。食事中の会話は控えるように とのことで、一皿ずつ出されたにぎり寿司を黙々と食べるのみ。生の魚がそんなに好物ではない私にとっても、生臭みを感じない美味しいお寿司でした。
小一時間でお腹は一杯。歩いてホテルまで戻り、一日目の予定が無事に終わった。

 翌日 朝早く起きて、ホテルの近くを散歩した。尾山神社を抜けて、金沢城公園へ。日曜日で散歩やジョギングをする人に多く出くわした。
尾山神社は正面に鳥居があって、その次に神門という風変わりな門がある。和漢洋の三つの建築様式を備えた門です。最上部にはステンドグラスがはめ込まれている。何故 神社にこのような様式の門があるのか?
金沢城公園には天守閣がなく、20年前に復元された菱櫓、五十軒長屋等がある。それと築城時の石垣があちこちに残っている。その石垣をめぐる散歩道もある。見上げるほどの高さに大きな石を何段にも積み上げる その知恵と人力に感心するばかり。石垣を見上げるように玉泉院丸庭園がある。その庭園の周りも散策した。更に足を延ばせば兼六園にも行くことができるが、以前に訪れたこともあったし、時間的にもちょっと無理なので、金沢城公園内の散歩だけでホテルに戻った。朝食前の良い運動になった。兼六園は入場料が必要だが、金沢城公園は無料でいつでも入れる。町の中心部にこのような憩いの場があるのはいいなあ~と思った。

朝食を済ませて、再びバスにて次の目的地 五箇山へ。五箇山は富山県にあり、その次に訪れる岐阜県の白川郷と合わせて世界文化遺産に登録されている。合掌造り集落と言えば、白川郷が代名詞のように言われているが、五箇山にも築300年を超える合掌造り家屋がある。まずは相倉集落を訪れた。ここには20棟の合掌造り家屋が現存している。村はずれの高台に上り、村の全景を眺める。のどかな風景が眼下に広がる。村の中を散策したが、観光客が少なくゆっくり見物できた。この村には原始合掌造りが残っていて、茅葺屋根がほぼ地面まで達していて出入り口は妻面のみという形です。合掌造りの原型だそう。現存する建物は小屋のようなもので中には入れない。外観をみるだけ。こんな形があるのは知らなかった。この原始合掌造りが進化して、現在のような側面に壁を設けてそこから出入りする形が主流になったそうです。
次に向かったのが同じく五箇山の菅沼集落。相倉集落よりさらに小さな集落で8棟の合掌造り家屋がある。国道より集落全体を見下ろすことができる。訪れる観光客はほとんどいない。村人たちは築?十年の合掌造り家屋に住み、淡々と日常生活を営んでいる。たまに通りすがる見知らぬ人に気を留めることもなく、老婦人が窓を開け、日差しを受けながら屈んで何か作業をしている。庭には子供用の自転車があり、洗濯物も干してある。一見 町中の我々の生活と何ら変わりない。でも、実際に合掌造り家屋に住んでみるとどうなのだろうか?内部を公開している家屋もあるが、見るだけではわからないことも多いだろう。夏は涼しいだろうが、冬の寒さはどう?寒さが苦手な私は我慢できるかな?そんなことを考えながら、村中を歩いた。よそ者が村人たちの日常生活を邪魔しないように と気遣いながら。
最後に訪れたのが岐阜県の白川郷。五箇山からバスで40分ほど。白川郷にも幾つかの集落があり、最も有名な荻町地区を訪れた。集落に近づくにつれて、観光客が目につくようになった。駐車場も自家用車がいっぱい。さすがは名高い観光地だけのことはある。菅沼集落とは雲泥の差だ。白川郷は集落の規模も大きく、観光地化されているので、人が多いのは当然と言えば当然なのだが…。ここでの滞在時間は昼食時間も含めて2時間ほど。私は幾つか見たい建物があったので、それらをすべて見学すると、時間が足りないと思い、昼食を省くことにした。他の人達は昼食に名物の蕎麦を食べに行ったのだが、私一人 彼らと別れて目的地へと歩き始めた。駐車場から私の目的地までは徒歩15分ほど。その途中にも一般公開している合掌造り家屋2棟があるので、地図を頼りにまずはその2棟を見学した。神田家と長瀬家です。神田家は築170年ほど、長瀬家はそれより更に古い。もちろんどちらも見学用に公開していて、住人はいない。建物の中にはいろいろな民具や写真も展示しているが、私はそれらをチラッと見ただけで、すぐに狭い急階段を上って最上階へ。屋根裏の梁組みを見るためです。釘を使わず、縄で小屋梁とその他の材を縛りつけている。それで強度が保たれるのだから、不思議だ。逆に縄で結束することにより、多少のあそびができ、雪の重みや強風に対して柔軟に抵抗できるのだそう。構造計算に依らなくても、昔の人はいろいろな経験からそのことを学んだのだろう。先人の知恵は素晴らしい と改めて感じ入った。一ヶ所に時間をかけることができないので、次の家屋へと進んだ。この地区で最大規模、国の重文にも指定されている築300年の和田家です。こちらは現在も住居として使われていて、一部を一般公開している。間口14間、奥行7間の大きさだ。確かにデカい。圧倒される。300年前の建物とは思えないほど、保存状態がよい。代々の住人がきちんと手入れをしてきたからだろう。一般に家は住人がいなくなれば、朽ちるのが早いと言われるが、和田家は代々の人が住み続けて守ってきたのであろう。ここでは屋根裏まで上がれなかったが、2階から屋根裏の一部を覗き見することができた。何故か屋根裏ばかり見たくなるのです。
ここまででほぼ1時間を費やした。駐車場まで戻る時間を考えても、展望台まで行く時間が取れそうだったので、バスで5分ほどの展望台まで行ってみた。白川郷の案内パンフレットによく見られる風景が眼下に見られた。ここから写真を撮っているんだ。もちろん私も撮った。合掌造り家屋がほぼ同じ方向を向いて並んでいる。風向き等から一応に同方向を向いているのだそう。展望台には観光客も多かった。道行く人も多い。家族連れや友人同士等 好天に誘われて出かけてきたのだろう。土産物店にも人が入っている。やっぱり観光地なんだ と実感した。帰りは下り道なので、歩いて降りた。最後にもう一ヶ所 明善寺を訪れた。茅葺屋根の寺です。鐘楼門の屋根が茅葺という珍しい様式です。外から眺めただけで、バス駐車場へ向かった。昼食も食べずにずっと歩きづめで、さすがに疲れた。その上、この日は気温も高く汗ばむほどの暑さだった。何か冷たい物を と思い、ソフトクリームを食べた。結局 これが私の昼食となった。蕎麦も食べたかったが、食欲よりあちこち観光したいという欲が勝ってしまった。2時間をフルに活用して、存分に白川郷を楽しんだ。その後はバスに揺られて、大阪へ。勿論、大阪までたっぷり寝ました。添乗員にバス内では会話を控えるよう 何度も注意されたが、帰路は会話をする元気もなく眠りこけていました。

この白川郷ツアーは私がふと一言漏らしたことから始まりました。久しぶりに宿泊付きのセミナーを開催しては?と津島さんに持ちかけたのです。行き先はどこ?と聞かれ、白川郷と言ったのです。数十年前の学生時代に専攻科目の関連で白川郷に行きました。最近 もう一度行ってみたいと思っていたが、なかなか行く機会がなかった。それで、津島さんに提案したのです。独自の計画も立てたのですが、旅費等の都合で難しく、旅行会社主催のツアーに参加することになったのです。私個人的には五箇山へ行かず、白川郷だけでもっとゆっくり時間を取りたかったのですが、ツアーだから仕方ありません。でも、五箇山にもそれなりの良さがあり、次は五箇山の民宿(合掌造り家屋)に泊まってみたいと思うようになりました。観光地化された白川郷がよいのか、のどかな風景が残る五箇山がよいのか、私にはよくわからない。ただ、この風景をいつまでも残してほしいと思います。長年の夢が叶った白川郷ですが、昔の記憶がほとんどない。今回訪れても、全然思い出さない。正直 初めて訪れたのと同じ感覚でした。
2日間のバス旅行はやっぱり疲れました。バス内で無駄なおしゃべりが出来ないのがつらい。コロナの感染予防対策なので仕方ないが、黙って乗っているのは本当につらい。飲み物はOKだが、お弁当やおやつを食べるのもダメ。食べず、しゃべらずにバス内で数時間を過ごす。これでは旅行の楽しみが半減してしまう。早く元の生活に戻ってほしいと 切に願う。
時間に追われたバス旅行でしたが、楽しく有意義な時間でもありました。
いろいろとお世話になりありがとうございました。
貝塚市在住 徳野倫子氏 70歳代


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