日   時 2022.5.14(土)
場   所 蘆花浅水荘(ろかせんすいそう)、旧岡本邸
参 加 人 数 13名
テ ー マ 『百年名家を訪ねる…』



「蘆花浅水荘」、書院にて説明を聞く
竹の間
2階洋室
2階仕事場、岩絵具キャビネット
庭散策
「蘆花浅水荘」前で記念撮影
「旧岡本邸」ここで、ガイドさんのお話
「旧岡本邸」、日吉神社の神輿展示
 今回は、青葉の美しい季節に、百年を超える名家を訪ねました。  好天に恵まれ、京阪電鉄「瓦ヶ浜」駅に集合、徒歩5分にある「蘆花浅水荘」」(ろかせんすいそう)に向かいました。
 蘆花浅水荘は、明治・大正・昭和初期にかけて、京都画壇で活躍した日本画家山元春挙の別荘庭園です。40歳頃、生地に近い大津市膳所の琵琶湖畔に自分の画の師森寛斎と両親の恩を記す目的で別荘の建築を思い立ち、大正3年から10年前後にかけて、離れ、土蔵、持仏堂及び本屋を完成させました。また庭園も琵琶湖及び対岸の三上山(近江富士)を借景に、自然の中に、自己の芸術を表現しようとしました。画家であり、山を愛する登山家でもあり、書や詩に精通する粋人春挙自らがその洗練された感性をもって建築した別荘は、華美でなく計算された機能美と気品さえ感じられます。平成6年に、国の重要文化財に指定され、庭園は大津市指定の名勝になっています。
 玄関を入ると、まず目を引くのが「瀬田の唐橋の親柱」、これらの持ち込まれたと説明があった骨董品があちらこちらに見受けられました。
 案内の方に書院から順番に、わかりやすくこの建物のすばらしさを説明していただきました。特に竹の間と呼ばれる座敷では、竹を愛した春挙氏がいたるところに竹を使って、遊び尽くしています。自ら描いた竹の襖、雀の形をした竹製の引手、床脇の洞口に施された奇抜な形の竹、飾り格子に変わり竹を用いた円窓と、訪れる人を楽しませてくれる洒落た趣向にあふれていました。
 2階には洋室があり、その奥に仕事場があります。仕事場の絵の具キャビネットはご自身でデザインされたものとの事、大変使いやすく考えられていました。
 1階に降りて庭を散策。もともとは庭続きに琵琶湖が広がっていました。書院の前に、なだらかな芝生の2つ小丘を作り、その間に幅広い白砂を流して小ぶりの松をところどころに配置しています。これらの配置はすべて庭向こうの琵琶湖と背後の山々を借景にと、作られています。近年はマンションが建ち、作庭当時の雰囲気は薄れてきたとはいえ、都市化した街の中での水と緑の貴重な空間になっています。趣味豊かだった春挙の遊び心や、ゆったりとした時の流れを存分に味わう事ができました。
 その後、大津市坂本の伝統的建造物群保存地区にある、公人屋敷(旧岡本邸)に向かいました。公人屋敷(旧岡本邸)は、江戸時代に延暦寺の僧侶でありながら妻帯と名字帯刀を認められた「公人(くにん)」が住んでいた住居のひとつです。内部が原型をとどめないほど改装されている住居が多い中、岡本家の家屋は全体に公人屋敷としての旧状をよくとどめた社寺関係大型民家の特徴を示す住宅として残されてきました。主屋、米蔵・馬屋等は平成17年3月に大津市指定文化財に指定されています。
 歴史ある建物を見学して、建物への「情熱と思い」に感動した一日でした。
文/新井律子




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