日   時 2023.4.1(土)午後1時00分~5時00分頃まで
場   所 石の寺教林坊、ラコリーナ近江八幡
参 加 人 数 23名
テ ー マ 『千年もの昔と今、ふたつの建築を実見する…』



「石の寺教林坊」茅葺総門
書院で記念撮影
池泉回遊式の名勝庭園
ラコリーナ近江八幡 草屋根
バームファクトリー
バームファクトリー2階テラスからの眺め
さようなら松下忠義さん
 近江八幡駅南口ニッポンレンタカーに集合、レンタカーを借りて「石の寺 教林坊」「ラコリーナ近江八幡」を巡りました。
 まずは、近江八幡市安土町にある天台宗の寺院「石の寺教林坊」を訪れ ました。茅葺の総門を抜け、階段を登っていきます。たくさんの木々の中、整 備された坂道を進み本堂に向かいます。「教林坊」は、西暦605年、聖徳太 子によって創建されたと伝わり、林の中で教えを説かれたことに由来し、境内 には「太子の説法岩」と呼ばれる大きな岩とご本尊を祀る霊窟が残され、「石 の寺」と呼ばれています。ご本尊の観音さまは同じく聖徳太子作で、赤川観音 と呼ばれ、困難な願いも二度参れば叶う「再度参りの観音」と信仰を集めてき ました。書院南側の庭は、枯れ滝、鶴島、亀島など巨石を用いて豪快に表現 された、桃山時代を象徴する池泉回遊式の名勝庭園で、小堀遠州の作とい われています。晩秋には2000 坪の境内をうめる約300本の古木が紅葉で真 っ赤に染まり、数千本の竹林とのコントラストは拝観者を魅了しています。紅 葉の季節にもう一度、訪れてみたいと思いました。
 次は、「たねや」や「クラブハリエ」で有名なお菓子メーカーの本社でお菓子 と自然を楽しむことが出来る「ラコリーナ近江八幡」を訪問しました。この施 設の建築を手掛けたのは、建築家、建築史家の藤森照信氏です。藤森氏が 「科学技術に自然を着せる」建築の集大成と話す「ラコリーナ近江八幡草 屋根」(2015年竣工)で、日本芸術院賞を受賞しました。「人間のつくる建築に 神様がつくったとされる自然を組み込むのは至難の業」とその難しさを試行錯 誤の末に「ラコリーナ近江八幡草屋根」で課題をほぼ解決し、完成させま した。そのほか、ランドスケープアーキテクトの重野国彦氏や京都大学大学 院・准教授の小林広英氏などが関わっています。屋根一面が高麗芝におお われた緑の三角屋根“草屋根”をはじめ“銅屋根の本社建物”や田んぼや自 社農園など自然との一体化、素晴らしいです。銅屋根の手前にあるのが、  「栗百本」というカステラショップ。栗の木を100本以上使い、皮を剥いで柱に しています。バームファクトリーの2階で「できたてのバームクーヘンmini」をい ただき、カフェから通じるテラスでラコリーナの全貌を見渡すことができまし た。たくさんの人手にも関わらず、のんびりとした気持ちになれました。
 教林坊で心癒され、ラコリーナでは童話やジブリのアニメに出てくるかのよ うな懐かしい風景に心躍りました。楽しい一日をありがとうございました。
文/新井律子

事務局からのお知らせです。
本年1月13日。暮らし方研究会設立発起人のお1人、
オスモ&エーデル(株)の創業者松下忠義氏が逝去されました。
81歳でした。
合掌



 暮らし方研究会の先輩方、大変ご無沙汰しております。今回、家族5人揃って、セミナーに参加してまいりました。
 第184回セミナーに参加された皆さま、先日はご一緒させていただき、ありがとうございました。教林坊では、ゆっくりと流れる時間を楽しみにされていたことでしょう。ところが、お寺の境内に入った途端、我が家の3人が「よーいどん」と駆け出し、つられて皆さまの足取りもトントンと早く軽やかになってしまったように感じます。「遊びを見つける天才だね」などと沢山お褒めいただき、3人ともが有頂天になり饒舌になる姿を、ヒヤヒヤしながら見守っておりました。
 今回のセミナーで感じたことは、自然を生かすことと時間を重ねることの美しさでありました。
 教林坊では、緩やかな山道に沿って歩いていくと、苔むした大きな岩が迎えてくれます。この場所に鎮座し、長い年月を過ごしてきたことがひと目でわかる迫力がありました。境内では、すっぽりと山の懐に抱かれたような安心感を味わいました。我が家では、ついこの間まで、リビングの横にある和室で5人揃って就寝していました。子どもたちが先に寝つき深い寝息が聞こえてくると、大きな安心感に包まれ「お母さんの子宮の中はこんな感じかな」と想像することがよくありました。教林坊での安心感もこのような感覚に、少し似ていると感じます。それほど離れていない場所に育つ桜の木々は、一部咲きの木から五分咲きの木まであり、それぞれの早さで心地良さそうに育っていました。家庭では家族の、職場では子どもたちの「健やかな育ち」を第一に考え日々暮らしていることもあり、皆この自然のように、競うことなく伸びやかに育っていきたいものと感じました。
 さて甘党の我が家のお楽しみラ・コリーナ。本日のメインイベント『バウムクーヘン』
へ続く回廊は、まるでジブリの世界に迷い込んだような雰囲気でした。回廊の屋根に施された芝からは、途切れることなく水が滴っており「?」と思っていると、スタッフのお一人が「芝が枯れてしまわないように雨水を溜めているのです」と教えてくださいました。訪問した際、芝は枯れているように見えましたが、きっと季節を変えて再訪すれば生き生きとしていることでしょう。山の緑と、屋根に施された芝と同じ色をした塗壁、目に入る色彩がとても優しいものでした。また、至る所に小さな扉があり、小さい人たちがクルクルと入ったり出たり、知らない人と譲り合いつつ遊んでいる姿がとても微笑ましいものでした。
 今回訪れた教林寺もラ・コリーナでも、自然の中へ人がわけ入り自然を生かしながら、自然の流れの中で暮らしていくことの面白さを感じることができました。今日もまた、家族の暮らしが始まります。健やかに伸びやかに、時間を重ねていこうと思います。皆さまとまたお会いできますように。
島本町在住 山本佑子氏 40歳代


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