行きは、滋賀方面から日本一の長さを誇る坂本ケーブルで比叡山に登りました。二つのトンネルをくぐり、眼下に望む琵琶湖の景色が、より一層わくわくを掻き立てました。
何の前知識も持たず参加した今回のセミナーでしたが、博識でおしゃべりが上手なガイドさんが、ユーモアを交えながら案内してくださり、心に残る場面が多くありました。
現在改修真っ只中の国宝根本中堂では、屋根を上から見るという改修中だからこその体験をする事が出来ました。屋根の改修作業では、長野県から運ばれた七万枚の椹の板を一枚ずつ張っていく、銅板を間に挟む防腐の知恵、知り得るのはほんの一部ですが、丁寧な作業に、何百年も受け継がれる建物や当時建築に携わられた方への敬意を感じました。
特に印象に残ったのは西塔エリア。
にない堂や今回は回りませんでしたが浄土院など、昔の話ではなく今現在も僧侶の方が修行をされているすぐ側を訪れる事が出来ます。気配すら感じませんでしたが、今まで見た完成された表側のお寺ではなく、様々な人の覚悟や裏側を感じる事が出来ました。
比叡山そのものが延暦寺であり、囲われたお寺ではなく、外部の人間を締め出さず、全てを受け入れてくれる温かさがあります。
最澄さんの「一隅を照らす、これ即ち国宝なり」という教え。
皆一同である必要はなく、個性を尊重する教えは、子育て中の私の心に沁み入りました。
とは言いつつ、帰りの叡山ケーブル、京阪電車に乗る頃には、携帯アプリで効率的な乗り換えを検索する、効率重視の現代人にすっかり戻っていましたが、、、
今回も貴重な経験をありがとうございました。
企画、準備にご注力いただきました津島さん、新井さんに感謝申し上げます。 |