所 在 地 / 大阪府三島郡島本町
家族構成 / 夫婦+子供2人
構造・規模 / 木造2階建
敷地面積 / 40.91坪
延床面積 / 35.07坪
第156回セミナー

建築家からの一言

  施主ご夫妻は、暮らし方研究会が長年提唱を続けている「終の棲家」の基本概念「住居は丈夫で質実剛健、小さく建てて大きく暮らす…」「住居は憩いの場、人間性を養う場」「生活は自然に学び謙虚で素朴に…」「三世代を住み継げる…」などに共感され、お若いうちから「終の棲家」を住居にする選択をなさいました。
  「終の棲家」の住宅プランの原点は、親子二代に渡り米国の著名な建築家W.M.ヴォーリズ氏の薫陶を受けた故吉村康雄さんのご自宅と暮らし向きがモデルになっています。全体プランにある、平屋ベースの二階建て・シンプルな間取り・内部の構造現し・杉材の質感と香り、等々が特に気に入っていただけたようです。
  ご家族構成は、小学校教員で36歳のご主人、支援学校教員の37歳の奥様、3歳の男の子、1歳半の女の子の計4人です。身長188センチの長身でギターがご趣味のご主人、小柄で料理好きの可愛い奥様、ご夫妻共に子供が健やかでのびのびと暮らせる住居を…とのご要望をいただきました。
  大柄のご主人からは、浴室とトイレは広め、天井は高く、土間のある広い玄関、収納はたっぷり、親近感を抱かせる懐かしい木の家を…とのご希望がありました。奥様からは、小さな家でちゃぶ台を中心に家族がワイワイと楽しく、仲良く暮らせて夢が膨らむ住居を…とのご希望でした。
  土地の選定には約一年間を費やし、やっと島本町に40坪の土地が見つかりました。西と北が道路に面する角地ですが、南側には古い住宅が既に建っており、南からの採光を如何にするかが課題でした。西日対策には深い庇を設け、夏には簾をかけることにしました。西側に設けた縁側はご近所のお友達が来られた時の玄関にもなり、ご家族の日向ぼっこや夕涼みの場として大いに利用価値が高まることでしょう。
  ご家族が健康で愉しく暮らせる理想の住まいを施主さんと一緒に実現できればと、現場監督さんや大工さんに無理を言いながら、また研究会のサポート会員さんにもご協力を仰ぎながら、基本概念通りの「終の棲家」が完成したと自負しています。
  これから住居を計画される場合は是非「終の棲家」の概念をご参考にしていただきたいと思います。