住居のヒント

■第1は「高耐久力」です。  
  住宅は、耐震性能や耐火性能が高く、家族の生命と財産を守れる場でなければなりません。耐震面では地質調査を行い、測定結果に応じた基礎工事(土台)をしっかり固めることが求められます。場合により、地盤補強や構造補強を行なうことで、耐震性能はかなり高められます。
   耐火性能については、自宅から火を外部に出さないことが大切ですが、近隣からの延焼を防ぐための対策も重要です。隣家から十分に離して建てるとか、外壁を十分な耐火素材で覆うとか、火を出さない!火を貰わない!ための対策をしっかりと講じたいものです。
  更には、十分な強度を持つ構造材を使用して、頑丈な骨組みを築くことです。装飾や仕上げなどの経費を削ってでも、強度を高めておきたいものです。

■第2は「長耐久力」です。  
  現在は昔より、建材も部材もかなり耐久性能が高まっています。土台部分の木材の腐朽や害虫による被害がないように、建材・部材の吟味を十分に行いたいものです。
  一方、生活中の住宅を長持ちさせるコツに、基礎・外壁・水周り部分の排水性能と耐水性能を高めることが挙げられます。そして、雨樋の目詰まりの点検や結露の防止など、防腐性能を高めることも重要な対策となります。
  更には、防蟻対策や傷みを拡大させないための日ごろのメンテナンスを怠らないことも大切です。住宅も身体と同じょうに点検・整備することが長持ちの秘訣でしょう。住宅を長持ちさせればそれだけ建築する戸数が減り、建築粗大ゴミの発生も抑えられる道理です。

■第3は「健康力」です。  
  現在は、化学建材の使用によるシックハウス症候群、ハウスダストによる健康被害などの認識と対策が普及したため随分被害は減ってはいますが、アレルギーを持つ方には更に積極的な対策が望まれます。
  ご家族との、健康的で明るい暮らしのために、天然素材の多用や通風・採光にも配慮したいものです。しかし、省エネや防音性を意識し過ぎて気密性を追求する余り、換気不足や結露など、人や住宅の健康にも被害を及ぼすことも理解しておきたいものです。

■第4は「省エネ力」です。  
  今後の暮らしには生活エネルギーの削減が大きな課題となります。省エネ効果が最も高いのは住宅そのものの断熱なのですが、現実的には住宅の大半に内断熱が採用されています。高い断熱性と住まいへの悪影響を更に軽減するためには、徹底した外断熱(建物の表面にヘアークラックが入らず、建物そのものの長寿化にも効果があるとされる)や通気工法を採用し、ペアガラス窓やソーラシステムによる発電なども併せて計画し、エネルギー効率が高い住宅を目指すのがポイントでしょう。
   加えて、冷蔵庫・エアコン・洗濯機など、電化製品の省エネ化を設計段階から配慮しておきたいものです。

■第5は「老後対応」です。  
  バリアフリーが社会的に採用されるようになり、現在ではかなりのレベルで安全性と使い易さが達成されています。しかし、直近ではバリアフリーが逆に身体機能を低下させるとの説も出始めています。この件については後ほど「老後のヒント」の項で説明したいと思います。
  さて、長年住み続けますと家族構成の変化にも配慮する必要性が生じます。例えば、子供が独立して部屋が余って掃除が大変とか、逆に実家に戻り年老いた親と暮らしたいが古くて狭い、などの問題が発生します。基本性能が高く構造が丈夫な住宅であれば、間仕切りを変更して大部屋にするとか、部屋の建て増しや2階の増築をするなど、柔軟な対応が可能になると思います。
   高齢化対応と家族構成の変化への対応は、建築の計画段階からライフプランとして、綿密に考えておくことが大切だと考えます。

■第6は「環境共生型」です。  
  住宅を壊すと言うことは、建築廃材が大量に出ることに繋がります。だから住宅を長持ちさせることと、これから建築する住宅には建築粗大ゴミを減らす努力が求められます。特に、化学建材は土に還元されないことから、地球に負担をかけないやさしい建材を使う配慮が求められています。
  また一方では、雨水を溜めて草花の水やりに利用し、生ゴミを堆肥にするなど、長期にわたる環境への配慮も求められています。北欧では、地球にやさしい環境共生型のエコ村が開村し、大きく話題を呼んでいるようです。

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