暮らしの読み物

部会や倶楽部の会員の方々のご協力により寄稿されました。
論文あり、旅あり、食あり、涙あり…と、示唆とウイットに富んだ内容をお愉しみください。


地下足袋日記   1   2   3   4   イギリス編
「遺伝子の命ずるままに 住吉高灯篭建立の奨め」   1  (PDF形式)
味読「やさしさを生きる…」   1   2   3   4   5
ロハスライフ   1
あかりと遊ぶ   1   2   3
アイビー文化を楽しむ   1   2   3   4   5
やきもの小話   1   2   3   4   5   6
35日間の熟年夫婦の旅日記   1-1   1-2   2   3   4   5   6


「アイビー文化を楽しむ」—(5)
  4回にわたって私のIVYへのこだわりについて書きました。
今一度言わせていただきますがIVYが正しいというのではないのです。
  ファッションだけでなく生活全体の考え方、自分自身の生活スタイルとは何か、衣・食・住のトータルな生活スタイルを意識し、バランスのとれた生活が人生を楽しくしてくれるそのきっかけを与えてくれたのです。それがIVYトラディショナルであります。自分のスタイルを完成させるのに最低10年はかかります。そして年齢を重ねるにつれ、また自分自身を見つめなおさなければなりません。終わりはないのです。
  8年前親父の残してくれた土地にマイホームの夢をかなえることができました。マンション生活を続けておればとっくにローンも終わっていたのですが少し無理をしたようです。しかし私達夫婦は満足しています。ほとんどといって趣味は共通しています。買い物でもめることはありませんし、同じ目的に対して進むことは楽しいことです。10年前マンションリフォームの時も2〜3時間で二人で計画を決め業者の方も驚いていました(どちらも考えが浅いということもあるのですが)。
  去年結婚生活25年を迎えました。私も定年3年前です。終わりではなく新たな人生の準備にかからなくてはなりません。二人でいろいろな夢を語っています。簡単にかなうものでもないのですが一つ一つ実現できるように頑張ります。いままでも、何とかなったのですから…。
  息子達も24歳と22歳になりました。学生の時代も彼らに私の生活スタイル(特に服装)を強要したことは一度もありません。これは好き、嫌いの世界ですから。ただし、これだけは強く強調して教えました。
・自分自身の年齢、体つきに合うものを選ぶこと。(性格も含め自分を知ることが一番)
・ファッション雑誌などで色合い、生地などをみて知識を得ること。
・流行にとらわれないこと。
身につけるものは自己主張であり、パーソナリティーに反映しています。いってみれば分身なのです。
  30歳を迎えた時のある雑誌より
  「日本ではナリフリはどうでも、立派な心を持つ事が大事だ…などという人が案外多い。なるほどもっともらしい言葉である。ナリフリはどうでもといいながら、ナリフリの内側にひそむ心の立派さなど誰の目にも見えやしない。心の美しさは当人の行動から、いつとはなしに感じていくほかなく、どんな心の持ち主かは感じ取るまでに時間がかかる。対人関係の複雑になった現在ではなおのこと、自分の人柄を服装で示し、手っ取り早く自分を認識させる必要が生じた。」  古波蔵保好著 「男の衣装箪笥」より
  わたしはこの文章に感銘しました。流行にとらわれることなく、自分の心を表せるナリフリを大切に。と子供達には繰り返し話しました。中学、高校時代は少し抵抗があったようですが、現在は私のネクタイ、シャツ、セーター、等、使ってくれています。60歳を迎えようとする男のものをですよ。私の人生についてはあまり参考にはならないようですが、ファッションについてのアドバイスは一目おいてくれています。有難いことです。心から我が息子に感謝しています。彼らもまた結婚し子供ができ自分流の生活に入っていくものだと思います。トラディショナルといっても時代とともに進歩しています。懐古主義ではありません。このIVY精神を忘れず年齢を重ねていってほしいと心から念じています。
  最後にわたしは現在トム・ジェイムスというお店にお世話になっています。スーツもジャケットもシャツもすべてがオーダーです。トラッド人生の集大成を行う最もふさわしいお店です。終わりはありませんが、IVY精神の完成の精度を高めたいと思っています。

「私もいつまでも粋な老人でありたいと願う。」


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