八月にイギリス旅行に出かけました。最近ヨーロッパ各地で起きている、テロ事件の不安が少々ありましたが、無事何事もなく旅行を終えました。今回は、自然の景色と植物と建物の関わりに関心を持って見てきました。イギリスでは都会を少し離れるだけで美しい田園風景が広がります。それは農業生産の場の景色です。牛・馬・羊の放牧のための牧草地と、麦・じゃがいも・ビートの畑が延々と広がっています。その牧草地や畑をミズナラの植え込み・サンザシの生け垣やその土地で採れる石で積んだ石垣で囲って、区分しています。その土地利用が国土の大半を占めて広がって、イギリスの景色を作り上げているのです。牧草地や畑がパッチワークのように美しく広がり、のどかでゆったりした気分にさせてくれます。私が見た限りでは、手つかずの自然はあまり見られませんでした。それは長年の家畜の放牧の影響だと思います。私はこれがイギリスの里山の景色であると思います。
振り返って日本を見ると、日本には里山と云う農村風景があります。里山は戦後の高度成長の影響で失われて行き、近年になってやっと見直されてきました。日本の農村風景は気象・地形の違いでイギリスのそれとはだいぶ異なります。よく管理された日本の里山の風景は、各地で変化に富み、繊細で美しく感じられます。イギリスの地形は起伏が穏やかで農地の景色は美しいのですが、画一的な感じがします。
人々は長年自然に手を加えて農地に変えて行きました。それは飼いならされた自然だと言えます。絶え間ない努力がその景色を作り上げた事は言うまでもありません。しかし、私たちはその景色に懐かしさを覚え,安堵感さえ感じます。その里山の美しい環境・風景を後世まで残さなければなりません。しかし日本では、都会も農村も看板や掲示物で溢れその景色を台無しにしています、景色に対して節度ある態度が求められます。
イギリスの牧草地の景色と建物を飾る花々をご覧ください。
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