年初めから始めていました京町屋の庭がようやく出来上がりました。去年の秋から工事を始める予定でしたが、建築の完成が色々な事情で遅れたため、私共の造園工事は年明けに始めることになりました。京町屋の特徴には色々ありますが、造園の観点からいいますと、座敷を挟んで庭(写真1.2)があるということと少し長いアプローチ(写真3)で玄関に向かうということです。
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工事前中庭(写真1)
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工事前茶花園(写真2)
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工事前玄関アプローチ(写真3)
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座敷に囲まれた庭を作るにあたり、不必要な植物や土、石などは建物の造作中に運び出し、必要な植木、石、灯籠、丸太、竹、そして洗出しの材料はその時に運び込んでおりました。
施主の奥様がお茶を教えておられ、茶庭の要望(写真4)がありました。
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工事後中庭蹲組(写真4)
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庭の広さとしては大変狭いものでしたが、待合(写真5)を持つ二重露地としました。
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工事後中庭待合の庭(写真5)
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蹲(つくばい)は、施主が持っておられたものを組み直し、軒内には塵穴(ちりあな)を作りました。庭には全面苔を張り、モミジ、ヒメシャラ、椿などを植え、茶庭らしい雰囲気を出すようにしました。
玄関の前庭には板石(写真6)を美しく配置し、その空きを丹波石で畳み、延段としました。延段の脇には燈籠を立て、延石で仕りをして、その間に黒竹を列植(写真7)しました。
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工事後石畳細部(写真6)
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工事後玄関アプローチ(写真7)
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応接間の前は沓脱(くつぬぎ)石を据え、三和土(たたき)の軒内を作り、その前には自然石と延石で仕切り、茶花畑としました。前庭の残りの空き地は砂利敷きとしました。
中庭の造園が施主がお住まいになられてからということとお庭の面積が小さいものであったということもあり、材料の保管や職人の作業に苦心しました。しかしその甲斐もあって、すっきりとして広く見えるお庭が完成しました。
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