 |
聖堂内のステンドグラス(1)
|
 |
聖堂内のステンドグラス(2)
|
 |
聖堂内のステンドグラス(3)
|
 |
聖堂内のステンドグラス(4)
|
 |
聖堂内のステンドグラス(5)
|
|
さて、きょうからは1000年前から「サンチャゴの道」と言われる巡礼のルートを逆に、東方のスペインとフランスの国境ピレネー山脈の方向へ、かつての宿場町として栄えた「レオン」「ブルゴス」「パンプローナ」への汽車の旅となる。平野では赤い屋根と白壁の家を除けば日本の風景と同じ。進むにつれて山岳地帯に入り深い谷、急流、ダムもあり、ちらちらとウロコ状の屋根瓦をした小屋も点在し、かつて見た赤茶けた大地が目に浮かぶこともなくなった。五時間余りでカスティーリャ地方の都市「レオン」に着く。駅前は閑散として宿泊するような建物は見当たらない。身軽くなるには町の中心地まで行くしかない。地図を頼りに大きな清流ベルネスガ川の橋を渡り、メインストリートと思われる広い道を歩き続けること2キロメートル、ようやく商店街へ出た。始めて目についたオステルだったが、少々薄汚くても荷物からの解放が第一。それに二人で3,000円なら言うことなし。旅慣れもここまでくれば個人旅行の強み。堅苦しい規則もないし、自由気ままに振るまえる。レオンの見どころはやはり「カテドラル」。十三世紀に建造されたゴシック建築で、堂内の広さは90m×30mと大きく壮麗な内部。ステンドグラスが今まで見て来た中でもピカ一だ。正面には直径8mのバラの飾り窓。二方の壁面にあるステンドグラス群。約80の窓は十三世紀〜十四世紀に作られたのだという。5〜600年経っても新鮮さを失っていない。「光と芸術の共演」とはこんな状態を指すのだろうか。宗教臭くない見事な絵柄と色彩の見事さに、主人はもう雷に打たれたようにその場に釘付けになってしまっている。どれだけのシャッターを切ったのだろう。ひんやりする堂内に一時間もいれば身体も冷えてくるので、私ひとり外の広場へ出てウインドーショップと観光案内所探しに出掛ける。主人は更に一時間位を堂内で写真を撮りまくっていたようだが、あの寒さも感じず、目もらんらんと輝かせ、身体はカッカッと熱くなる思いでステンドグラスと対峙していたことであろう。やや興奮気味で重いカメラバックをぶら下げて出てきたのだから・・・ この町へ来て、ステンドグラスを見るだけでも訪問する値打ちがあると記した本を読んだことがあるが、正にその通りだった。気も静まったところで町をふらついていると、珍しくオープンしている食料品店があったので、早速、手持ちも少なくなった紅茶パックと自分のおみやげとして粉末の「サフラン」を買う。日本では高価なので、産地のスペインなら安いかなと思ったが、1mg100円位だからやはり高いものだ。サフランの雌蕊を摘んで乾燥させたものから作られるだけあって、量産は全く出来ない代物である。 料理下手な私でも、パエリアのあの黄色を思い浮べれば、帰国したら作ってみようと思うのだから・・・女性はやっぱり食材に目が移ってしまうのかな。主人もイヤイヤながら買物につきあってくれているのだろう。
|