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論文あり、旅あり、食あり、涙あり…と、示唆とウイットに富んだ内容をお愉しみください。 |
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地下足袋日記 1 2 3 4 イギリス編 |
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35日間の熟年夫婦の旅日記 1-1 1-2 2 3 4 5 6 |
サンチャゴ・コンポステーラ→レオン→ブルゴス→パンプローナ |
「ブルゴス」 |
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この地域、一ヶ月ほど前に見たTVの天気予報では、連日雨模様を報じていたので心配していたが、今朝もスッキリと晴、と言ってもサマータイムなので八時過ぎないと太陽の光りを見ることはない。レオンでのホテル探しも駅前には全く見当たらず、2キロの道を歩く破目になったが、ここ「ブルゴス」でも同じようなもの。特に午后の町はみなひっそりしていて、人出も少なく尋ねる人も見当たらないことが多い。地図のみが頼りである。アルランソン川を目ざしてカンカン照りの中、二人共無口で歩く。川まで辿り着くと、そこはもう前方に城塞と尖塔が目に入ってくる。川沿いの木立の遊歩道を上流に向かって歩くと、カテドラル正面のサンタ・マリア橋に出る。橋を渡り切ったところにサンタ・マリア門がデーンと迎えてくれる。それに続くサンタ・マリア広場には各国からの観光客で一杯。色々な言葉が飛び交い、カテドラルをバックにハイポーズで写真を撮り合っている。 十一世紀頃はカスティーリャ王国として繁栄した土地柄、このカテドラルは、スペインではトレド、セビーリヤ、そしてここブルゴスが三大カテドラルの一つと言われ、300年を要して作られたゴシック建築の傑作で、芸術性の高い建造物だそうだ。尖塔の細かい模様もさることながら、壁の角々に造形された動物の数々。それを追っていくだけでも実に面白く見応えのある建造物だ。堂内の装飾も素晴らしいことは、外観から察してもすごいだろうと想像出来るが、時間がないので全体が見渡せる方向へ足を運ぶことにした。 |
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カテドラルの裏手へまわると、別棟の白壁にペイントされた落書きが目にとまった。落書きと呼んでいいのか見事な絵だ。こんな落書きならどこにでも書いてほしいと思わせるほどのものだった。 |
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ここから大き目の石畳の道沿いにサンフランシスコ教会を通り抜け、更にかなり上り坂になった石畳の両側には、歴史を感じさせてくれる石造りの家並みが続く。生活臭は感じられるが、時間が止まったような静けさに身をおくことがこんなにも心洗われるものかと実感した思いだ。石畳の道が途切れたあたり平坦な広場となり、今来たカテドラルの反対側、眼下に新市街がみえる。パン工場が小さく見え、戸口から出てきた前垂れ掛けをした職人が大きな紙袋を担いできて、ゴミ袋と思われるドラム缶に丸いパンを捨てているのが見える。失敗したパンなのか、残ってしまったパンなのか、思わず「ああもったいない!」と思ってしまった(ああ、また貧乏根性が出てしまった)。 |
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もう一段と登り詰めると、突然アラブ風の門「サン・エステバン門」が現れた。ここをくぐり抜けると、小高い丘に残る城跡までは十分位歩くことになる。ここまで来るのにほとんど人に出逢うことはなかったが、目的だけは達成出来た。眺望は良く、アルランソン川をはさんで中世ブルゴスの町が絵のように広がっていた。下りの道では土地の人に時々出逢う位で、このコースは観光ルートにはないようだ。ようやく川沿いの散歩道へ下り着くと、大木の「ボボ」の並木があり、落ちた実を拾い集めているおじいさんが、これは食べられるのだと教えてくれたが、確かに形は栗の実に似ているが、果たして味はどうなんだろうか(マロニエの木かもしれない)。 緑に囲まれたブルゴスの静かな環境は、旅する人にとっては心休まるところだった。 さて、この地で泊まったホテルは、我々にとっては破格のものだった。と、言うのも駅から歩いて30〜40分ともなると背中のリュックの重みが身にしみてくる。料金の高い安いは考えていられない。一番に目に付く看板、それが本日の宿となる。ケチケチ精神はいつでも働くものではない。ホテル「コルドン」は、中世貴族の館だったところ。赤い絨毯を敷きつめられたフロアーや廊下の両脇に飾られた骨董品の数、今まで泊まったところとは格段の差に、少々場違いな選択をしてしまったかなと思いつつも豪華気分で一夜を過ごした。ブルゴスを出て目指す「パンプローナ」は二時間位の乗車だったが、走る本数が少ないので駅での待ち時間で遅い出発となった。 |
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